根室へ向かう列車はうっすらと雪をかぶった緩やかな丘陵の間を進んでいった。 車窓からは見える景色は丘の合間に原野が広がり、小さな岬を越えたときにちらりと見える海は深い藍色をしていた。 人の営みが小さく感じられる風景は『さいはて』という言葉がよく合う気がした。