荷物・郵便電車

(昭和53~59年)




クモニ83 荷物電車 上越線

旅客列車に併結されて上越国境を越えるクモニ83

越後湯沢~越後中里
(昭和55年9月)






かつては至るところで荷物電車を見ることが出来た。
地味な存在であったがある時は旅客列車に連結されて、またある時は単独で活躍していた。
東海道線や中央線などの幹線でよく目にした車両はクモユニ74やクモニ83だった。
これらの車両は73系からの改造車であり、両運転台、全室が荷物・郵便スペースとなっていた。




荷物電車 クモユニ74 東海道線

クモユニ74
荷物・郵便電車の主役的存在だった
クモユニ74は全車がモハ72からの改造だった

大井町
(昭和57年7月)









荷物電車 クモユニ74 東海道線

旅客列車後部に連結されて東海道を行くクモユニ74
初期車の前照灯が大型のタイプ

金谷~島田
(昭和55年8月)









荷物電車 クモユニ74 東海道線

クモユニ74がニモ電単独で東海道を下る
シールドビーム化されて前照灯が小型のタイプ
差異は少ないがバラエティーに富んでいた

根府川~真鶴
(昭和59年1月)









荷物電車 クモニ83 東海道線

堂々と長編成の旅客列車の先頭に立つクモニ83
クモユニ74と共に荷物電車の主役だった

掛川~袋井
(昭和55年8月)









荷物電車 クモニ83 東海道線

165系急行『東海4号』と顔を並べたクモニ83

静岡
(昭和57年9月)









荷物電車 クモニ83 上越線

上越線でも旅客列車に併結されてニモ電が運転されていた
写真は雨樋の位置が115系と揃っているクモニ83

越後中里~岩原スキー場前
(昭和55年8月)









荷物電車 クモニ83 上越線

雪深い上越国境をクモニ83の4連が行く

越後中里~土樽
(昭和55年3月)









荷物電車 クモニ83 上越線

クモニ83の4連
新潟色の70系なき後、上越国境に吊り掛けの音を響かせるのはニモ電だけだった

越後中里~岩原スキー場前
(昭和55年8月)









荷物電車 クモニ83 上越線

最後尾は雨樋位置を一般車と揃えたため張り上げ屋根タイプのクモニ83

越後中里~岩原スキー場前
(昭和55年8月)









荷物電車 クモニ83 上越線

クモニ83

越後中里~岩原スキー場前
(昭和55年9月)









荷物電車 クモニ83 中央本線

中央線で活躍していたクモニ83800番台
中央線用のため他のクモニ83より屋根が低くなっている

三鷹
(昭和53年8月)









荷物電車 クモニ83 中央本線

篠ノ井線で旅客列車に併結されて活躍するクモニ83800番台

松本
(昭和56年5月)






飯田線・身延線・大糸線など地方路線でも荷物電車は活躍していた。
旧型国電の宝庫であったこれらの路線では特徴のある車両たちが活躍していた。
身延線・飯田線には半室を客室・残り半室を荷物・郵便スペースにした合造車が走っていた。
身延線にはクモハユニ44、飯田線にはクモハユニ64とクハユニ56が活躍していた。




荷物電車 クモニ83 100 クモニ13 飯田線

飯田線で活躍していたクモニ83 100番台とクモニ13
この車両は全室が荷物スペースのタイプ

田切
(昭和57年4月)









荷物電車 クモニ83 100 飯田線

飯田線で活躍していたクモニ83 100番台はクモユニ81からの改造車
見た目の通り80系の一族

天竜峡
(昭和57年5月)









荷物電車 クモニ83 100 飯田線

クモニ83 100番台

時又
(昭和56年5月)









荷物電車 クモニ83 100 飯田線

飯田線のクモニ13026
元は大正期の木造電車を昭和26年から鋼体化した車両

豊橋機関区
(昭和57年2月)









荷物電車 クモニ13 飯田線

クハユニ56と共に荷物輸送を務めるクモニ13

鳥居
(昭和57年5月)









荷物電車 クモハユニ64 飯田線

飯田線で活躍していたクモハユニ64
1形式1両の珍車だった
昭和18年にモハユニ61として3両が製造された
当初は資材不足のため無電装だった
昭和19年に001のみ電装されてその後モハユニ44100を経て昭和36年に両運転台化、クモハユニ64となる
(無電装のままだったモハユニ61はその後クハユニ56となる)

伊那松島
(昭和56年4月)









荷物電車 クモハユニ64 飯田線

クモハユニ64
飯田線の旧型国電がスカ色の中、ブドウ色で異彩を放っていた

大田切
(昭和56年3月)









荷物電車 クモハユニ64 飯田線

ブドウ色で活躍していたクモハユニ64も晩年はスカ色に塗り替えられた

豊橋
(昭和57年5月)









荷物電車 クハユニ56 飯田線

クハユニ56001
クハニ67001からの改造車

伊那松島
(昭和56年4月)









荷物電車 クモハユニ44 身延線

荷扱い中のクモハユニ44
身延線のトンネル断面が小さいため低屋根化されていた

甲斐岩間
(昭和55年4月)









荷物電車 身延線

荷物電車ではない一般車両も一部スペースを区切って荷物扱いをしていた

甲斐岩間
(昭和55年4月)









荷物電車 クモユニ81 大糸線

大糸線で活躍していたクモユニ81003
飯田線のクモニ81100番台と元々は同形式だった
写真撮影時にはクモユニ81はこの1両となっていた

安曇沓掛
(昭和54年8月)









荷物電車 クモユニ81 大糸線

2位側から見たクモユニ81

北松本
(昭和56年3月)






首都圏の通勤路線である山手線・京浜東北線にも荷物電車は走っていた
通勤電車の合間を縫って17メートル車のクモニ13が活躍していた




クモニ13 山手線

山手線ホームの端に申し訳なさそうに停車するクモニ13

東京
(昭和53年)









クモニ13 京浜東北線

クモニ13012
昭和18年にモハ34を片運転台化してモハ33に改造、昭和25年に再び両運転台化してモニ53となり後にクモニ13となった
飯田線で活躍していたクモニ13025・026よりも車齢は若かったが外観は重厚さを感じさせるものだった

王子~上中里
(昭和55年2月)









クモニ13 京浜東北線

103系に混ざって活躍するクモニ13

鶯谷
(昭和53年11月)









クモニ13 京浜東北線

夕方のラッシュ前に務めを終えるクモニ13
荒川鉄橋を渡る

赤羽~川口
(昭和55年2月)






荷物電車の主力だったクモユニ74・クモニ83などは73系改造の旧型車だった。
そのため老朽化した荷物電車を代替するためにクモニ143・クモユ141・クモユ143といった新性能車が製造された。




クモニ141 上越線

昭和42年に新型郵便電車の嚆矢として登場したクモユ141
同時期に活躍していた荷物電車に比べて冷房付きで厚待遇だった

敷島~津久田
(昭和57年11月)









クモユ143 東北線

クモユ143
昭和57年にクモユ141以来の新型郵便電車として3両が製作された
写真は落成直後の新車回送か?偶然撮影できたもの

御徒町
(昭和57年9月)









クモユ143 高崎線

クモユ143は車籍が郵政省の私有車両だった
昭和61年9月に鉄道による郵便輸送が廃止となった
郵政省の私有車両は国鉄に買い入れられることなく全て廃車となった
クモユ143もその例にもれず解体された
僅か4年の短命であった

高崎
(昭和58年10月)