昭和61年に九州を旅行した際に熊本電鉄を訪れた。
訪問する直前に熊本電鉄は合理化のために御代志~菊池間を廃止した。
活躍している車両は近代的な500形・5000形・5100形となっていて若干面白みに欠けてはいたが、藤崎宮前 ~黒髪町の併用区間を大型車両が走る光景を見てみたくて訪問することにした。
熊本電気鉄道は藤崎宮前~御代志間と上熊本~北熊本間を運行している軌間1067㎜の鉄道で、全線が直流600Vで電化されている。
熊本電気鉄道は明治42年8月15日に会社設立された菊池軌道株式会社が発祥である。
菊池軌道株式会社は明治44年10月1日に上熊本~広町間が軌間914㎜の蒸気運転により開業した。
路線を徐々に延伸して、大正2年3月15日に高江~隈府(菊池)間が開業、大正2年8月27日に広町~高江間が繋がって全線開業した。
大正12年8月から2次にわたって軌間拡幅工事(914㎜から1067㎜)と電化工事を行った。
大正13年4月に商号変更を行い、菊池電気軌道株式会社となった。
昭和17年5月に再度商号変更を行い、菊池電気鉄道株式会社となった。
昭和25年10月1日には新たな路線として上熊本~北熊本間が開業した。同時に北熊本駅付近の軌道を大幅に移設・改良した。
これにより上熊本~北熊本間には経路は異なるが従来からの軌道と新設路線が併存することになった。
運転系統は藤崎宮前~菊池と上熊本~北熊本となり、軌道区間の上熊本~藤崎宮前間は別途の運転形態となった。
軌道区間の上熊本~藤崎宮前間は昭和29年6月1日に台風被害によって休止となり、昭和29年6月に廃止となった。
昭和42年5月に藤崎宮前~菊池間が地方鉄道に変更となった。
同時に逐次別線建設による軌道改良を始めた。
昭和61年2月16日に御代志~菊池間が廃止となった。