昭和56年に静岡県・伊豆の土肥金山にほど近いところにあった清越鉱山を訪問した。
修善寺からバスに1時間ほど揺られて降りたバス停から坂道を登った山の中腹に目指す清越鉱山があった。
あまり広くないスペースに鉱山事務所や資材置き場とそれらの間を縫うように坑内から延びてきた508ミリの軌道が所狭しと張り巡らされていた。
使用されている機関車は鉱山では標準的な日輸の3トンバッテリーロコである。
このバッテリーロコが坑内と坑外を走り回っていた。
鉱山の関係者の方々は優しい方たちばかりでつい居心地の良さに甘えて一日中鉱山の敷地内に居させていただいた。
普段目にしないものを見ていると、従業員の方が一つ一つ詳しく説明をしてくれた。
遊びで訪問した我々を暖かく受け入れてくれる優しさが嬉しかった。
またいつか訪問しようと思いながら日が傾きかけた鉱山を後にした。
しかし清越鉱山は残念ながら昭和62年に閉山となり、再訪の夢は叶わなかった。