北恵那鉄道廃線跡
中津町駅跡付近
整備された軌道跡の脇に廃車体が残されていた
北恵那鉄道
北恵那鉄道は国鉄中央本線中津川駅近くの中津町から付知川に沿って下付知までを結ぶ鉄道だった。
北恵那鉄道は大井ダム建設に伴う木材の陸上代行輸送を目的として開業した。
大正時代まで付近の山林で切り出された木材は下付知付近の付知川畔に運び出されて、そこから筏を組んで付知川・木曽川を下って輸送されていた。
大正中期に下流に大井ダムの建設が計画された。
ダムが建設されると筏を組んで川を下るという輸送方法が行なえなくなるので、その代行手段として鉄道が計画・建設された。
そのような背景から北恵那鉄道が大正13年8月5日に開業した。
中津町～下付知間22.1kmを軌間1,067mmで結び、開業当初から全線が電化されていた。
路線図
中津町駅跡
往時を偲ばせる建物の前にバスの廃車体が置かれていた
中津町駅跡
レンタカー会社の営業所になっていた
中津駅跡に置かれていたク551の廃車体
倉庫として使われているみたいだった
ク551は昭和41年11月に名鉄から譲受した車両
元は愛知電鉄 電4形として大正11年に日本車輌本店で製造された
中津町駅から下付知方面を望む
中津町駅から国鉄中津川駅まで通じていた連絡線跡
延長0.5kmで貨車の受け渡しが行われていた
中津町～恵那峡口間にあった第一中津川橋梁
新しい道路橋の下に古びた北恵那鉄道の鉄橋が見える
第一中津川橋梁
第一中津川橋梁
奥が中津町方面
第一中津川橋梁から恵那峡口方面に続く軌道跡
中津町～恵那峡口間
谷間に架かる第二中津川橋梁が見えた
堂々とした木曽川橋梁
このまま時の流れと共に朽ちていくのが勿体なく思われた
木曽川橋梁
中津町～恵那峡口間にあった道路橋
恵那峡口駅跡
ホームの残骸と枕木が残されていた
恵那峡口～山之田川間
恵那峡口～山之田川間にあった上地橋梁
石積みの橋脚が風格を感じさせる
恵那峡口～山之田川間
山之田川駅跡
構内があったらしき敷地の形と礎石で存在がわかった
山之田川～苗木間
苗木駅跡
貨物取り扱い時に集荷などで使用したのであろうか？
倉庫らしき立派な建物がホーム上に残されていた
ホームの礎石の位置から交換駅だったことが伺える
苗木構内の踏切跡にレールが残っていた
苗木～上苗木間
上苗木駅跡
上苗木駅跡
こじんまりとした民家みたいな駅舎だった
並松駅跡
往時の雰囲気が偲ばれる
並松駅跡
関戸駅があった場所
ここは遺構が撤去されていた
関戸～美濃福岡間
関戸～美濃福岡間
美濃福岡駅跡
美濃福岡駅跡
立派な駅舎が残っていた
駅舎の中には現役当時の時刻表が残されていた
列車は朝晩しか運行されていなかったみたいだ
美濃福岡～栗本間
川に沿って軌道跡が見えた
美濃福岡～栗本間
橋脚が川の流れの中に崩れ落ちていた
対岸に橋台が見える
栗本駅跡
山間の雰囲気の良い場所だった
栗本～美濃下野間
美濃下野駅跡
ここの駅にも貨物扱いで使われたであろう立派な倉庫があった
田瀬駅跡
ホーム跡は草に覆われていた
稲荷橋駅跡
稲荷橋駅のすぐ脇には鳥居があった
お稲荷さんが祀られているみたいだった
稲荷橋～下付知間
下付知駅駅舎
まだ営業しているかと見紛う様な感じだった
下付知駅跡
構内が広かったことが伺える
この駅にも時刻表が残されていた
1日に僅か6本の運行だった
構内の傍らに廃車体が置かれていた
ハフ30の廃車体
ハフ30は昭和39年11月27日廃車、廃車後は下付知駅構内で倉庫として使われていた
廃車体は草に覆われつつあった
北恵那鉄道は廃止前には昼間の列車の運行をバス代行に切り替えていた。
駅に残されていた時刻表からもそのことが伺える。
おそらく合理化などで鉄道存続の努力があったのだろうが、昭和53年9月18日に全線が廃止となった。
