かつては日本各地に夜行列車は活躍していた。
主要都市間には寝台特急も走っていたが、急行列車の数のほうが圧倒的に多かった。
なかでも客車で組成された列車は旅情が感じられた。
荷物車、A・B寝台車、座席車が混然と連結された列車は、スマートさは無かったが重厚さが感じられた。
座席車が連結されている列車だったら、思い立ったときに飛び乗って旅に出かけられる気軽さが魅力だった。
平成28年3月、青森と札幌を結んでいた急行『すずらん』が廃止となった。
旅情を感じられる数少ない夜行列車として貴重な存在であっただけに大変残念な出来事であった。
これにより時刻表から夜行急行列車は姿を消してしまった。
昔は一晩かけて移動した距離も、現代では新幹線や航空機を使えば短時間で移動できるだろう。
しかしその利便性と引き換えに旅情が失われてしまったような気がする。