EH10は東海道線の貨物輸送に徹した職人気質の電気機関車だった。
EH10は東海道線の全線電化に際して、1200tの貨物列車を牽引して関ヶ原を通過できるように設計・誕生した。
外観は機関車としては特異な2連接車体で、従来の機関車にあった先台車を無くしてB-B+B-Bの軸配置だった。
主電動機はEF15・EF58で使用されているMT42を基にしたMT43を装備、パンタグラフはPS15を装備した。
昭和29年に試作車が誕生、昭和32年まで合計64両が製作された。
EH10はコンテナ特急『たから』の牽引機に抜擢されて華やかな活躍をした事もあったが、基本的には貨物列車牽引の地味な役割に徹していた。
晩年は一般貨物の牽引の運用がほとんどだったが、誕生から終焉まで東海道線を離れることなく生涯を過ごした。