かつて青梅線・南武線には奥多摩で産出される石灰石を臨海地帯まで運ぶ貨物列車が数多く運行されていた。
それらの石灰石輸送列車牽引の主役は昭和初期生まれのED16だった。
昭和50年代には戦後生まれの機関車でさえも消滅する形式があったのに、初期の省型電機であるED16が健在だったのは喜ばしかったが不思議な感じがした。
ED16は昭和6年に誕生、全部で18両が製造された。
EF52に次ぐ共同設計方式(標準型電気機関車=省型電機)として誕生した。
主電動機はEF52・EF53と同一のMT17、ギア比は1:4.77だった。
製造当初は上越線と中央線で活躍した。
第二次世界大戦中には中央線で活躍していた7号機が被災の憂き目に遭っている。
戦後しばらくして青梅・五日市・南武線と阪和線に活躍の場を移した。
阪和線のED16はその後立川機関区に転属となり18機全てが立川機関区に集結した。
多くの人から親しまれたED16もとうとう引退の日がやってきた。
さよなら列車は品川~御岳間で運行された。
普段は地味な貨物列車牽引の役目だったが、最後は12系客車を牽引しての晴れ舞台だった。
車号 | 新製 | 製造所 |
---|---|---|
ED161 | 1931年4月 | 三菱電機 |
ED162 | 1931年5月 | 三菱電機 |
ED163 | 1931年5月 | 三菱電機 |
ED164 | 1931年4月 | 日立製作所 |
ED165 | 1931年5月 | 日立製作所 |
ED166 | 1931年5月 | 芝浦製作所・汽車会社 |
ED167 | 1931年5月 | 芝浦製作所・汽車会社 |
ED168 | 1931年6月 | 芝浦製作所・汽車会社 |
ED169 | 1931年7月 | 芝浦製作所・汽車会社 |
ED1610 | 1931年5月 | 日立製作所 |
ED1611 | 1931年6月 | 日立製作所 |
ED1612 | 1931年7月 | 日立製作所 |
ED1613 | 1931年6月 | 三菱電機 |
ED1614 | 1931年7月 | 三菱電機 |
ED1615 | 1931年7月 | 三菱電機 |
ED1616 | 1931年7月 | 川崎造船・川崎車輌 |
ED1617 | 1931年7月 | 川崎造船・川崎車輌 |
ED1618 | 1931年7月 | 川崎造船・川崎車輌 |