交流電機

(昭和53~59年)




ED75

東北の雄、ED75が東北本線の普通列車を牽いてやってきた

郡山
(昭和56年8月)









ED76 富士

九州の標準型機関車ED76
日豊本線を走る『富士』

美々津~東都農
(昭和53年8月)









EF70

北陸本線で活躍していたEF70

新疋田~敦賀
(昭和57年10月)









ED75

ED75 1000番台は高速列車牽引に対応していた
1000番台牽引の『ゆうづる』が並んだ

青森
(昭和56年8月)









ED77

磐越西線で活躍していたED77
サイリスタ制御の最新技術が詰まった機関車だった

猪苗代
(昭和56年10月)









EF71

電気機関車最大の出力を誇ったEF71
福米間で活躍した
連続した勾配区間を通過するために回生ブレーキを装備していた

米沢
(昭和56年12月)









ED76

北の大地で働く全サイリスタ制御のED76 500番台

札幌
(昭和56年7月)









ED71

東北本線電化時から活躍しているパイオニアED71

郡山
(昭和56年8月)









ED71

ED71の前期型と後期型の重連

越河
(昭和55年8月)









ED71

越河
(昭和55年8月)






交流電気機関車は交流電化区間が拡がって行くのと共に勢力範囲を拡げていった。
交流電化区間は昭和30年に仙山線で試験的に電化されたのを始めに、北海道・東北地方・北陸地方・九州にその範囲を拡げていった。
交流電気機関車はその地域に適した仕様の形式が製作された。
周波数の違いで見ると、北海道と東北地方は50Hz、北陸地方と九州は60Hzに対応した車両となっている。
その他に制御方式、整流方式などに各形式の差異が見られる。




ED71

ED71

東北本線の黒磯以北を交流電化する際に製作された機関車
25パミールの勾配で1200tの貨物列車を重連で引き出せる2000kw級の機関車として設計された
交流50Hz対応で東北本線で活躍した
異なった機器を使った試作機ED711~3号機の3両を製作して性能試験の結果、4号機以降の方式を決定した
制御方式は高圧タップ切替、整流器は水銀式整流器(エキサイトロン)を使用していた
44号機まで(1次型)はクイル駆動式、45号機以降(2次型)は半つり掛け式となった
外観上は車側フィルタが44号機までは田形、45号機以降は1列に変わっている
水銀整流器が水冷式だった為、凍結の恐れがあることから運用は仙台以南に限定されていたが、後にシリコン整流器に交換された
写真は右が1次型、左が2次型




ED75

ED75

交流電機の決定版ともいうべき機関車で、交流電機の中で最大両数を誇っていた
制御方式は磁気増幅器を使用した低圧タップ切替で、整流器はシリコン整流器を搭載していた
主電動機はMT52形だった
50Hz対応が主だったが、60Hz対応の300番台もあった
他に日本海縦貫線向けの700番台、高速列車牽引用の1000番台があった
700番台は耐寒耐雪構造のために高圧機器を屋根上から車体の中に移した
ED75 501号機は北海道向けの試作機として函館本線の小樽~旭川電化時に製作された
制御方式がタップ切替制御からサイリスタ位相制御となり、それまでのED75とは性能面で全く異なっている
サイリスタ制御のED75 501は1両のみだったが、その経験はその後北海道向けに製作されたED76 500番台に受け継がれた




ED76

ED76

ED75と同等の性能で、SGを搭載して線路規格の低い区間へ入線ができる機関車として製作された
60Hz対応が主で九州で使用された
重連総括制御の設備がないので、前面は非貫通となった
SG搭載により重量が増えたので、軸配置は中間台車のあるB-2-Bとなった
1000番台は高速列車牽引用
ED76 500番台は北海道向けで50Hz対応
ED75 501と同じくサイリスタ制御となっていて、他のED76とは性能を異にしている
ED75 501とはSGを搭載しているところが異なる
重連総括制御が可能なので、前面は貫通型になった




ED77

ED77

ED93 1が最初のサイリスタ制御の機関車として製作された
このED93 1を基にして、磐越西線用にED77が量産された
線路規格の低い路線を走るために中間台車のあるB-2-Bの軸配置となった
中間台車の軸重をかえて、軸重を14t~16.8tの間で4段階変えられるようにした
耐寒耐雪構造として高圧機器は機械室に収納された
ED93 1は後に量産化改造を行い、前面も非貫通から貫通型になりED77 901となった




EF71・ED78

EF71




ED78 EF71

奥羽本線福島~山形間の交流電化に際して、板谷峠用の機関車として製作された
連続する33パミールの勾配区間を運転するために回生ブレーキを搭載した
試作機としてED93を発展させたED94を製作した
回生ブレーキを搭載したためにED94ではサイリスタブリッジ制御とした
ED94は仙山線で各種試験を行い、それを基にしてEF71・ED78が製作された
EF71は福島~米沢の補機専用として作られた
EF71は軸配置がB-B-Bで車長が交流電気機関車で最大だった
ED78は仙山線で使用できるように中間台車付きのB-2-Bの軸配置となり軸重が4段階で可変できる
EF71とED78は重連総括制御ができる




EF70

EF70

北陸本線の北陸トンネル開通に合わせて製作された機関車
1000tの貨物列車を牽引して北陸トンネルを通過できる性能を持つ
交流60Hz対応で北陸本線で活躍した
整流器にシリコン整流器を使用した最初の機関車だった
制御方式は高圧タップ切替、主電動機はMT52形だった
初期製作車は前灯が1灯だったが22号機以降は2灯となって外観が変わった
1001~1007号機は高速列車牽引用にブレーキ増圧装置・元ダメ空気管引き通しの改造を行った
末期には北陸本線で余剰となった一部の車両が九州に転属となった
直流化改造してEF58に替わって荷物列車の牽引機とする計画もあったが実現はしなかった




交流電気機関車概要

形式軸配置制御方式整流器製作両数周波数主な使用線区備考
ED44B-B非重連・低圧タップ切替・弱め界磁直接式150Hz仙山線試作交流電機
ED451・11号機B-B非重連・低圧タップ切替・位相制御水銀250Hz仙山線
21号機B-B非重連・高圧タップ切替・位相制御・弱め界磁水銀150Hz仙山線
ED70B-B低圧タップ切替・位相制御・弱め界磁水銀1960Hz北陸本線
ED71B-B高圧タップ切替・位相制御水銀5550Hz東北本線
ED72B-2-B非重連・高圧タップ切替・位相制御水銀2260Hz九州北部SG搭載
全機シリコン化改造
ED73B-B非重連・高圧タップ切替・位相制御水銀2260Hz九州北部全機1000番台に改造
ED74B-B非重連・高圧タップ切替・弱め界磁シリコン660Hz北陸本線
日豊本線
ED75B-B低圧タップ切替・磁気増幅器・弱め界磁シリコン16050Hz東北本線
常磐線
300番台B-B低圧タップ切替・位相制御・弱め界磁サイリスタ1160Hz九州北部
501B-B低圧タップ切替・位相制御・弱め界磁サイリスタ150Hz函館本線北海道向け試作機
耐寒耐雪構造
700番台B-B低圧タップ切替・磁気増幅器・弱め界磁シリコン9150Hz奥羽本線
羽越線
耐寒耐雪構造
1000番台B-B低圧タップ切替・磁気増幅器・弱め界磁シリコン3950Hz東北本線
常磐線
高速列車牽引用
ED76B-2-B非重連・低圧タップ切替・磁気増幅器・弱め界磁シリコン9460Hz九州地区
500番台B-2-B低圧タップ切替・位相制御・弱め界磁サイリスタ2250Hz函館本線耐寒耐雪構造
1000番台B-2-B非重連・低圧タップ切替・磁気増幅器・弱め界磁シリコン2360Hz九州地区高速列車牽引用
ED77B-2-B低圧タップ切替・位相制御・弱め界磁サイリスタ1650Hz磐越西線
ED78B-2-B低圧タップ切替・位相制御・弱め界磁・回生ブレーキサイリスタ1450Hz奥羽本線
仙山線
EF70B-B-B非重連・高圧タップ切替・弱め界磁シリコン8160Hz北陸本線22~28号機7両は1000番台に改造
EF71B-B-B位相制御・回生ブレーキサイリスタ1550Hz奥羽本線


※整流方式は登場時の仕様
※国鉄時代には他にED79があった









ED71 ED75

東北本線の両雄ED71とED75

福島機関区
(昭和56年8月)









ED75

ED75牽引の東北本線の普通列車

金谷川~南福島
(昭和57年11月)









ED71

福島~金谷川間で後補機として活躍するED71

金谷川~南福島
(昭和57年11月)









ED71

堂々と急行『津軽』の先頭に立ったED71

福島
(昭和57年11月)









ED78

奥羽本線を走るED78牽引のローカル列車

羽前中山~上ノ山
(昭和55年6月)









EF71

峠越えに向かうEF71

福島
(昭和59年7月)









EF70

EF70は田村でデッドセクションを越えてきた列車を引き継いだ

田村
(昭和55年8月)









EF70

EF70初期型は前灯が1つで、2次型とは印象が異なった

福井
(昭和57年5月)









ED76

ED76のトップナンバーが先頭に立った『さくら』

佐世保
(昭和57年8月)









ED77

うっすらと積もり始めた雪の中をED77が牽引する列車がやってきた

関都
(昭和58年11月)









ED75

試作機だったED75 1号機も量産機と共に活躍していた

勝田
(昭和57年4月)









ED75

ED75 1000番台が重連で高速貨物を牽引

金谷川~松川
(昭和57年11月)









ED75

ED75の牽く列車が峠道を駆け上ってきた

金谷川~南福島
(昭和57年11月)