165系電車は上越線などを走る急行列車を電車化する目的で製作された。
平坦線区で活躍していた153系を基にして、勾配の連続する山岳路線や、積雪の多い地域を走ることを想定して設計された。
出力の増強、抑速ブレーキの装備、耐寒・耐雪対策などが施されて昭和38年2月に試作車が落成した。
当初はクモハ165・モハ164・モハ165・クハ165・サロ165・サハシ165の6形式が製作されて、昭和38年6月から上越線で活躍を始めた。
その後、信越本線や中央本線など活躍の場を広げていった。
165系はほぼ同一の性能を持っている修学旅行用の167系、横軽対策を施した169系などバラエティーを増やしながら昭和45年まで増備が続けられた。
165系は急行型電車の主力として首都圏を中心に全国の直流電化区間で活躍した。
153系 | 165系 | |
主電動機 | MT46 | MT54・54B |
出力 | 100KW | 120KW |
歯車比 | 4.21 | 4.21 |
台車 | DT24・24A TR59・59A | DT32B TR69B |
主制御器 | CS12A | CS15A |
昔「特急」が特別な列車だった時代に「急行」は身近な存在の列車として全国各地を運行されていた。
165系もその一翼を担っていて見かける機会も多かった。
私が幼少の頃に出掛けるときには特急に乗ることは殆どなく、165系や169系のお世話になることが多かった。
自分一人で出掛けるようになってからも、周遊券で乗車できる急行列車は重宝して165系はよく利用させてもらった。
特急車両に比べたら快適性では劣るのであろうが、思い出深い懐かしい電車であった。